2013年9月4日水曜日

メンタルを鍛える


ゾーン (ウィザード・ブックシリーズ)
パンローリング株式会社 (2013-02-01)
売り上げランキング: 4,746

投資本の中でも有名な本ですが、Kindle版が出ていたので購入して読んでみました。喩え話が多くてかなり読みにくい本でしたが、内容自体は何度も読み返す価値のある名著だと思います。

この本はメンタル本です。僕はポーカーでは平均以上には自分をコントロールできていたと思っていたので、トレードでも大丈夫だろうと高を括っていました。しかし負けていたころならいざ知らず、利益が出るようになってからも精神的な部分からくるミスがなかなか減りませんでした。ポーカーでは考える時間があり、その間に冷静に物事を考えることができますが、相場は常に動いていて待ってはくれません。このことが焦りとつながり、ミスを引き起こすことが多いです。勝ち始めれば心にも余裕ができるかなと思っていましたが、そう簡単な話ではなかったようで、意識改革をする必要があるなと感じました。


本の内容は大体次の通りです。

・優位性があるときに一貫してトレードを行う。
・そのためにはリスクを受け入れる必要がある。
・リスクを受け入れるためには、マーケットはどの瞬間も唯一のものであるということを知る。

当たり前のことですね。が、3つ目のことが特に重要です。このことを心の底から理解していないと、自分の予想通りに動くと過剰に期待し、思惑通りに動かないと焦ってしまいます。


マーケットは多くの人が考えている以上にランダム性が強いです。ある時と全く同じチャートが出来上がったとしても、参加者が前回と同じような行動を取るとは限りません。前回勝った人はトレード枚数を増やすかもしれないし、負けた人は今回はトレードを控えるかもしれません。大口トレーダーがクリックした瞬間相場が動き出すこともあるでしょう。参加者全員の思惑を把握するのは不可能であり、次の値動きを完璧に予想することも不可能です。その値動きはその瞬間にしか存在しないのです。

ただ、人間は同じような状況に陥った場合は同じような心理状態になりやすいため、そこにははっきりとした傾向が見られます。その傾向を把握し、優位性があると感じたらエントリーして、その優位性がなくなったと感じたらエグジットすることによりエッジを得ることができます。

利益を得るために次の瞬間何が起きるかを知る必要はありません。何事も起こり得ることを前提に、何がどの程度起きるかを確率で考えます。このことを理解していれば、予めリスクを確定しないことはバカげたことで、利が乗ったあとに戻してきても焦ることではなく、利確したあとに更に伸びたとしても後悔する必要がないこともわかるでしょう。

しかし、これらのことはわかっていてもなかなか割り切れられない人が多いと思います。それは日々暮らしている中で培われてきた「常識」のためであり、その「常識」を変えることができれば見える世界も変わるらしいです。それが「ゾーン」という心理状態らしいのですが、経験がないのでちょっとわからないですね。


僕はこの夏の休暇にお金のことを忘れて遊んだおかげで、トレード内容が良くなった感じがします。少し焦っていたのかもしれません。いちいちマーケットから苦痛を感じているようでは一流にはなれないので、なんとか克服していきたいところです。


Powered by Blogger.