アクティブ運用の評価に使われる情報レシオ(IR = Information Ratio)というもので、これを使うとある賭け事がどのくらい自分に有利なのかを定量的に表すことができます。
情報レシオはリターンの平均をα、リターンの標準偏差をリスクωとして、ωに対するαの比率となります。 \[ IR = \frac{\alpha}{\omega}\ \] リスクに対してどれだけリターンがあるかを表しています。評価の目安は下の表のようになるらしいです。
情報レシオの水準 | 運用成績の評価 |
0.8以上 | 非常に優秀な成績 |
0.3~0.8 | とてもよい成績 |
0~0.3 | よい成績 |
これだけだとよくわからないと思うので、本にのっていた例も紹介します。
0と00、1~36の数字があるルーレットを使い、ここでは赤(0と00はハズレで、残りは赤と黒の半分に分かれている)に賭けを行うと仮定します。賭けの仕方は①200万円を一度に賭ける、②2円を100万回賭ける、の2通りである場合、どちらがルーレットの親にとってどれだけ有利であるか?を考えてみます。
①200万円を一度に賭ける場合
ルーレットの親が勝つ確率は20/38=56.63%、ペイオフレシオは1なので \[ IC = (1+1) \times 0.5663 - 1 = 0.0526\\ IR = 0.0526 \times 1 = 0.0526 \] となり、あまり魅力的な投資機会だとはいえない、となります。②2円を100万回賭ける場合
この場合、200万円を1回賭ける場合に比べて、ブレスが1回から100万回まで大きく増えているためICは同じ0.0526ですがIRは \[ IR = 0.0526 * \sqrt{1000000} = 52.6 \] と52.6まで上昇し、①と比べて非常に魅力的な投資機会といえます。投資においてはより高い情報レシオを得ることが重要な要素の一つになります。試行回数を増やすのはスキルを上げることよりも難易度が低いため、まずはある程度のスキルをもって試行回数を増やし、その間にスキルの向上を図るのがお金を増やすための良い戦略の一つになるかと思います。ただし、試行回数を増やすとコストが増し情報係数(スキル)が低下する傾向にあるため注意が必要です。